詩の日めくり 二〇二一年六月一日─三十一日/田中宏輔
 
存在と思うのではないのか。」(フィリップ・ホセ・ファーマー『父』大瀧啓裕訳、176ー7ページ)

 こんな言葉もあった。物語をつづけよう。巨人である〈父〉は惑星中の動物たちを支配していた。ある日、〈父〉は動物たちに自分を食い殺させて、ふたたび甦った。僧正に敵対する考えをもっていた神父がそれを目撃する。〈父〉は宇宙船に乗りたがったが、閉所恐怖症を起こして宇宙船に乗れなかった。神と名乗った〈父〉はうちひしがれた。そこで〈父〉は強力な電波をもって皆を宇宙船から遠ざけた。僧正は途中で猛獣に引き裂かれて死んだ。〈父〉は僧正の死体をもらいたがったが、神父は断った。甦らせることなく葬ることにしたのだった。皆
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