詩の日めくり 二〇二一年六月一日─三十一日/田中宏輔
、ただ単に知識を持っていることを識別できるものだった。教授は、単位認定試験にこの機械を使うことにしたのだった。しかし、三人組の学生が、セレブロスコープに対抗できる機械をなんとか作って試験に挑んだ。ひとり目は、セレブロスコープに天才だという結論を出させた。ふたり目はそれ以上の結果を出したうえに、正常にセレブロスコープが働かないようにしてしまった。そこで教授は、これまで通りの試験に戻すことにした。それから、2、3年後、例の三人組が大学を卒業するころになって、教授が新しいセレブロスコープをシリウス星系から持ってくることにしたらしいと三人組の耳に入る。卒業が決まっているので、そんなことは、ぼくらの知ったこ
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