詩の日めくり 二〇二一年六月一日─三十一日/田中宏輔
土着生物の体内は暖かで心地よく、なによりも、土着生物が与えてくれるシチューに似たおいしい食べ物をふんだんに食べることができるからであった。ちなみに、この惑星の名前はボードレール。ボードレールらしさは、この惑星の風景にも、土着生物にも見られないが、詩人のボードレールがマザコン気味なのは、彼の書簡からもうかがえるので、作者は、それにひっかけて、惑星の名前をボードレールにしたのだろう。SFに詩や詩人が関係するとうれしい。
『東欧SF傑作集』の上巻の6作目は、コンラッド・フィヤウコフスキの「セレブロスコープ」大学教授がシリウス星系から持ち帰ったセレブロスコープという機械は、ひとが知っていることと、た
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