詩の日めくり 二〇二一年六月一日─三十一日/田中宏輔
終わるもの。作中では20世紀の後半に書かれていたという。
5作目は、アンジェイ・チェホフスキの「《エレクトル》に関する本当の話」地球から23光年離れた惑星の話。25年かけて地球から来たパイロットが到着した惑星は、エレクトロ、すなわちロボットに人間が支配された惑星だった。主人公はその惑星に住むふたりの少年。少年たちはパイロットが宇宙船を見せてくれたときに、宇宙船のなかで送受信機に向かって、「はい、そうであります、隊長どの」というのを聞いて、地球人もエレクトル、すなわちロボットに支配されているのだと思って、パイロットのいるところからしずかに出ていく。うまく逃げられたと思って、ふたりの少年はとて
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