詩の日めくり 二〇二一年六月一日─三十一日/田中宏輔
@cell_44 サバトの『英雄たちと墓』は、ぼくが読んだ本のなかで最高にすばらしいものでした。
二〇二一年六月五日 「液体太陽」
3作目は、アレクサンドル・クプリーンの「液体太陽」太陽光線を集めて液体状にする装置を発明した卿だが、人間に対する諦めから、実験を失敗に終わらせる。装置は大爆発してしまう。卿は生き残った。イギリスに渡った。
4作目は、アレクサンドル・ボグダーノフの「技師メンニ」記憶では傑作だったのだけれど、読み直したら、火星人版の単なる階級闘争の話だった。さいごに主人公の息子が科学の万能組織法を発見するところで終わっている。作者の創作の主意は、階級闘争の
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