神は悪魔であり、その逆も然り。/ホロウ・シカエルボク
大な樹木のようなものなのだ、その、些細な閃きが生まれるかどうかで百年が運命づけられてしまう、俺やお前はそんなものがいくつも生まれては灰になっていくのをただ延々と眺めていた、やがて社会は形を残したまま密度のない骨のようになり、その中のものたちは餓鬼のように役目を果たしては貪るだけになった、安堵の為の安定、それは長い長い死の始まりだった、俺たちは壁に潜み、彼らのにおいが変わるのを感じた、人工化合物、とでもいうのか、薬品のようなにおいのする人間ばかりだった、やつらはもう自分が何を食っているのかもよくわかっていないようだった、彼らは浮腫み、或いはやせ細るかのどっちかで、程よい肉体というものを持っているもの
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