そのかさをとじる/あらい
沈黙する。そっと故郷を離れた早春の下心と可視光線、尾を引くような足元を固める闇の中で。
貧弱な花の便りをあれこれひっくり返しては、連れ添いの証拠を抱え込み遺された援助で溺れる。一つめをあわせ、得る教えは傲慢な曇りもなく、天に飛び込んだだけの透明に踊る花々はやっぱりくだらなかろうな。
脾臓で拭いた窓辺こそまた日没後、新しいてのひらで透かし見たすべて。腹を納めたデザインを構える、贈与された瞼のお陰で。阿吽の呼吸を得る、有線のクインテットはまた繰り返し、血止めした雌花には足りない情報を通り名として、
包容されてしまうのだから。
古びた眼鏡のまぶし気なずり下がった物の
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