そのかさをとじる/
あらい
物の真ん中の、ヒビの裂け目に踊らせる、沁み出したよな焼け酒の。憚ることもすくなくなく、陶製の磨れた模倣者の、哀傷歌の混在を認めよう。
さあたぎらせただけの無防備に触れてしまえばいい。
其の土筆で草切れの涎を斯く、黄ばんだ紙が翼を動かし
風通しがいいだけの、湧き水に燻りを生き埋めだった
積乱雲は、湿った場所に染み付いた垢になった
硝子の靴を脱いだシンデレラは鏡の肖像の奴隷となり
驚くほど単純な空の中心、遺失物と最果ての聖域にあった。
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