そのかさをとじる/あらい
 
が、ふてくされた浪漫を誂えた美少女の、てのうちの駒であろうと風車であろうと。独り置き去りにされたまま、むしゃくしゃして、盤面に貪り食う、妄動のネオンに掴まり鎮まり。
 
   ――これもまた穏便な調教の賜りで、
 
 ゆるく蕾に浮かぶ露のことを白日の脳裏に刈り込ませる、外因は失われたものを。照れくさくも狭い下に曝す コマネズミに足を取られる。従わせるかぜは、畳みかけ、「わたくしを、古狸とする理由を象徴するのよ。」
 
視野狭窄の逆上
痛ましい爪痕に脱脂綿をあて
歯切れの悪い常夜灯の瞬きに
無慈悲な団らんは邪な形で
崩れてもなお、流れの緩い錦を生んだ
歩き通す、駄犬、探し求める
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