詩の日めくり 二〇二〇年三月一日─三十一日/田中宏輔
「鶏の首を切り落とすおばあちゃん」
ぼくがまだ、3歳か4歳くらいのときのおばあちゃんの思い出のひとつに、土間の台所で、鶏の首を包丁でゴツンッと切り落とすところを見たことがある。普段やさしいおばあちゃんが怖かった。なんちゅうことをするんやろうかと思ったのであった。焼き物も七輪とかいうものを使っていた時代の話だ。あとで知ったのだが、ぼくが成人してから知ったのだが、おばあちゃんはまだ女性の職業進出が少なかった当時にあって、料理人さんだったらしい。そら、鶏の首も切り落とせるわな。
二〇二〇年三月十三日 「ビッグボーイ」
河原町三条を2筋下がったところに、ビッグボーイがあ
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