詩の日めくり 二〇一九年十一月一日─三十一日/田中宏輔
コンプリートに集めた作家の本をひとに譲ったりもしたけれど、部屋が狭いことが根本原因でしたことだった。もう取り返しはきかないけれど。浅はかだった。
二〇一九年十一月十三日 「詩論」
互いに見張り合って、言葉の意味をより狭い範囲のものにしばりつけようとする詩人たち。
二〇一九年十一月十四日 「詩論」
しじゅう、言葉を出入り口として、さまざまなものが、ぼくの身体を出入りする。
二〇一九年十一月十五日 「考察」
思考対象がなければ自我は働かない。これは、実験済みだ。メモの断片が勝手にくっついていくことによって、自分が考えてもいなかった詩句が
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