「万華鏡」 【やったよ!100行連詩】/ベンジャミン
散らかした記憶をかき集めるようにして
作った万華鏡を
揺さぶってできた小さな窓の中には
ゆるゆると回転する色彩
現実はいつも空回りしているから
わたしたちはいつも何かを求める
それは留めておくことのできない美しさと
焼きついてしまう記憶に似て
向き合った矛盾を浮かびあがらせている
裏表があるのが人間だとあなたは言う
鏡の前に立てば振り返ることを忘れてしまう
こぼれつづける思い出の中
置き去りの自分がかたちを求めている
輪郭のない影の群れは
それでも一筋の線によりそって
光の中できらきらと踊る
自分の心をのぞきこむことはとても恐ろしいのに
導かれるように手に
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