詩の日めくり 二〇一九年八月一日─三十一日/田中宏輔
吟味させる
これは怖いことである。
詩は
詩人は
時間に吟味され
場所に吟味され
出来事に吟味されるのだ。
二〇一九年八月六日 「夢」
地面、鳥、歌声。
二〇一九年八月七日 「ぼくが歩いていると」
これって
生まれてはじめての経験かも。
ぼくが歩いていると
後ろから歩いてきたひとがみんな
ぼくを横切って
ぼくの前を歩いてった。
なんだか
ぼくが後ろに
ゆっくりとさがっていってるような
そんな気もした。
なにもかもが
ゆっくり。
ぼくが見上げた空は
たしかにいつもよりゆっく
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