詩の日めくり 二〇一九年八月一日─三十一日/田中宏輔
 
月十七日 「最初の接触」


 伊藤典夫翻訳SF傑作選『最初の接触』をジュンク堂で買ってきた。タイトル作が、ぼくの持ってる『世界SF全集』第32巻に入ってる作品だったから、出てすぐに買わなかったけれど、ハヤカワ文庫のトールドサイズの文字は読みやすいから、いいかなと思って買った。きょうから、これを寝るまえの読書にする。


二〇一九年八月十八日 「考察」


 徹夜してしまった。塾の生徒に読んでみてと言われて、その小説を読んだ。気分が悪くなった。悪意しか持たない人間がたくさん出てくる。現実とはあまりに違う感じがした。それとも現代においては、青年たちの感性は、悪意しか読みとれないもの
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