彼に会いたい/ホロウ・シカエルボク
瞬だけどこかから聞こえた、レッツ・ダンス、でもとてもじゃないけどそんな気分じゃない、臆病さをひた隠す侮蔑を視線に込めるやつら、知らないよ、相手にしてる時間はない、と言って特別やることがあるわけでもないけれど、コンビニエンスストアの陳列棚で食べられるものを探した、成果は上々とは言えなかった、道端にある店のほとんどは標準的な連中をターゲットにしてるものさ、段階的な午後が近付いている、なるべく早い時間に洗濯を済ましておかなければならない、冬の日は虫眼鏡で集めた光のように肌を焼くけれど衣服を乾かすには向いていない、若い男が対岸で安い狂気みたいな叫び声を上げている、そのそばを歩く年寄りはまったく気づいていな
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