詩の日めくり 二〇一九年六月一日─三十一日/田中宏輔
すっときて、ぼくのお尻をなでまわすおっさんがいた。ちょっとのあいだのことで、ぼくは友だちに告げられず、黙っていた。後ろからつけられていたのである。3度目の痴漢は、女だった。おばはんだった。ぼくが大学生のときのことだ。本屋で本を見てたら、横に立って、ぼくのチンポコのあたりをさわってきたのである。これもまた、ぼくはびっくりして場所を移動したのだが、二度ほどつけまわされた。4度目の経験は、ぼくが同志社国際高校で教えていたときのことで、ぼくが30歳になるかならないかのときのことで、通勤電車のなかで、満員だったのだけれど、相手の痴漢は、どうやら同志社の学生らしく、かわいらしい顔をした青年だった。ぼくのことが
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