詩の日めくり 二〇一九年六月一日─三十一日/田中宏輔
ていることがわかる結構だった。うらやましいとも思った。
二〇一九年六月五日 「痴漢」
これまでの人生で、痴漢に遭遇したのは10回ほどだろうか。男ばかりでなく女の痴漢もいた。さいしょの記憶は小学生の5、6年生のときのことだった。父親と弟の3人で映画を見に行ったときのことだ。映画館は満席で、立ち見をしていたのだけれど、父親の横に立っていたぼくの尻をさわってくる手があって、びっくりした記憶がある。そのときは、ぼくは父親に黙っていたのだけれど、どうしてだか自分でもわからない。数分で痴漢は離れていったけれど。二度目の経験は、中学の一年生のとき、友だちとふたりで歩いていたときに、横にすっ
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