日付変更線の彩/ホロウ・シカエルボク
 

静かな、だけど
何を飲み込んでいるか分からない
湖のそばに
いつも佇んでいるような明日なら大歓迎

三つ数えると日付が変わる
眠れない夜はいつだってそうさ
寝床の中で目を開けていると
必ず思い出す
遠い過去の薔薇の棘の痛み
あれはどこかの個人開業医の
植え込みにあったものだったっけ
その植え込みももう
建物ごと無くなっちまったけど

ノスタルジーなんて
ただの画面になって初めて成立するものさ

もう一度
使われていないアドレスで
君のことをコールする
呼び出し音を一本のラインに変換すれば
もしかしたら
宇宙まで届くかもしれないね

一瞬のまどろ
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