日付変更線の彩/ホロウ・シカエルボク
 
どろみの中で
星が生まれる瞬間を目にした
それは眩しさよりなにより
身を引き裂くような痛みに見えるばかりで
ライカ、君も一度は
あんな光を見ながら遠吠えをしただろうか

感情が濁流のように
深夜の罫線を流れてゆく
言葉にすると嘘に思えるものが一番正しい
確かなものを信じるのは愚か者の専売特許さ

さながら幽霊になりました
程よい時間に
呂律の回らない夢の中で会おうね
記号みたいな話をたくさん繰り返してさよならをしよう
もうしない約束みたいに
二度と鳴りはしない目覚まし時計みたいに

濡れた廊下に横たわっていた
幻想なんてすべて嘘だったのさ
冬が消えていく
ひび割れた唇の内側で
たったひとつの名前を探した

解けていく
交尾を終えた二匹の蛇のように
斑な光が飛び交って
奇妙に生々しいミラーボール
朝日が昇る頃には
死体はかたちを変えてしまう

星が終わるところを見たことがないのは
きっとスケールの問題なんだ
夜の間の世界は裏返し
剥き出しになった神経が
言い訳に収まらないものを血眼で探している
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