畳み込む/あらい
 
も、それがもう後の祭りであれ、
此処に繋がり、この手で捕まえたものだけを、信じていたいのだ

例えばひらひらとそよぐ蝶を追いかけて
、しまい、欲しがる君を喜ばせたいのに。
そんな単純なことが、
すれ違い絡まり合う糸を手繰り寄せ
より強固な絆を産んだとして。

ねじ曲がった愛憎が辿り着くのは欲に正しく従順で
背に刺さったピンが手酷い安堵を飼うように
カゴという名の棺に展翅された硝子の追想が、
蛆雨時に喰われてもう、見るも無残な姿を曝しているのだから。

これは曇り硝子の向こう側では
モザイクに溺れたシグナルの前で、
あれは荒波が去るのを待って、
無駄な太陽が瞬きを続
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