ホメロスについての2,3のことがら/がらんどう
詩をまとまった形でギリシアへもたらした。彼が旅をした折、イオニアからこの詩を持ち帰ったのである。その後、アテナイの人ペイシトラスがそれらを結集して『イリアス』と『オデュッセイア』という形にしたのである。それが紀元前六世紀のことであるといわれている。
アルキノオスの宮廷ではないまた別のどこかで、
─その名は「ユートピア」であろうか─
一人の男がその苦難の物語を語り始める。
「そこでまず、わたしの名から申し上げましょう。皆さんに名前を知っていただき、幸いにわたしが非情の日を逃れることのできた暁には、たとえ遠く離れて住んでいても、親しく互いに過し合う友として、あなた方から扱っていただける
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