「歌う鳥」と「歌う人」/ベンジャミン
 
るまで 僕は お前など人ではないと言われて生きてきたのです 僕は歌うことができるのだけど それでも 醜くくずれた格好の僕は人ではないそうなのです」
確かに、旅人はおおよそ人と呼ぶにはひどい格好だと鳥は思いました。
鳥は自分が言ったことを少し悔やみながら、旅人の話をきちんと聞くことにしました。

「あなたは自分のことを鳥でないと言いたそうでしたが それはまったく僕の考えとは違います 僕はあなたを(歌う鳥)だと思うのです そして僕は自分のことを(歌う人)だと・・・ できることなら 誰もがそういうふうに思ってくれればいいと 僕は歌いながら旅をしています それはまったく自分のためでもあるのですが 
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(2)