私たちはセイレーン/あらい
歪んだ途が広がり、答えの導けない迷路に身を宿した
と
再び、
受け入れた声は、
波の中で幾度も弄ばれた抜け殻となった
セイレーンか
託した歌は、鴎となり烏となり、いつまでも鳴き続けた。今、
その残響として、私が生まれ、死んでいった回帰の海に、
(母の姿が)
私が読み聞かせた絵本は、いつのまにまも、彼女として
泣いているのだ
やはり其処には、夜が満ち引いていく。
波紋が心を浸し、
洗い流していくように現れ。
底では、深淵の星々が揺らめく光の奥で眠っている。
子供たちは、白夜のカーテンと戯れ、
幸あれと導い
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