私たちはセイレーン/あらい
 
導いてくれる。
白鳥の羽 
    不時着し、往く先に出会うだろう、いつかは

    逝くのだ
    ようやと更待月
       いつか彼らは夢物語の続きを夢見るだろう

夏が終わる頃に
       過去も未来もわからない黄昏時に
          海岸線がどこまでも伸びて

      寄せ返す波に足を浸せば、初心に辿り着く

             変わらない波に涙をこぼし、浸れば、
          海の大船が心音に似た小言で嗜めるようで、
      子守唄を数えながら、ただ、覆われるだけでそれで
  かきけされる

楽と呼べ、
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