詩の日めくり 二〇一八年三月一日─三十一日/田中宏輔
 
八年三月十四日 「オノレ・シュブラックの失踪」


 いま日知庵から帰った。レイ・ラッセルの『嘲笑う男』おもしろい。後、20ページちょいで再読、終わり、多くても、30ページくらいかな。短篇3つで読み終わる。知識の量と、表現力とが釣り合っている。アイデアがすごいと思わせられるのが、いくつもあった。知能的な読書ができたと思わせられた。

 きょうから読書は、早川書房の異色作家短篇集・第17弾の、マルセル・エイメの『壁抜け男』の再読である。これまた話を一つも記憶していない。タイトル作は、なにやらアポリネールっぽい感じがするものだな。壁に消えるときに亡くなったことを示唆する物語だ。なにに入って
[次のページ]
戻る   Point(12)