「あなたを待っていたのよ」なんて、退屈している女ならみんな口にするものだ/ホロウ・シカエルボク
のだろうかという気がしてくる、整地されただけのだだっ広い空間というのは、どこか忌わしい連想を呼び起こすものだとこの土地は教えてくれる、野球の試合が同時に4ゲームくらいは出来そうな広い敷地の中央まで歩き、腰を下ろす、じっとしているとたった一人の生き残りになったような感じがする、それは想像していた以上に奇妙な感覚だった、気味が悪い、と同時に、このままその感覚に身を任せていたいと思うような何かが潜んでいた、それは、苦しまない死への恋慕のようなものかもしれない、もしもそんなものが存在するのなら、人間の数がこれほど増えることはなかっただろう、居心地がいいわけでも悪いわけでもなかった、だからこそ何時間でも座っ
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