詩の日めくり 二〇一七年十一月一日─三十一日/田中宏輔
 
高い痩せた、化粧のケバい白人女性だった。
ぼくのウサギの皮を剥いで、火で真っ赤に焼けた窯のなかに
入れたの、そしたら、ぼくのウサギが苦痛に顔をゆがめて
でも、叫び声をあげなかったけれど
焼けたら、そいつを縛りつけてた鎖がほどけて
そいつが自分の脊髄を自分の口にポンっと放り込んだの。
「ぼくを食べて。」って感じで。
ぼくは逆上して、そこから逃げ出そうとしたら
肉屋のおじさんとおばさんが、ぼくを捕まえようとして迫ってきたの。
逃げようとしたら、何人かの少年たちが皮を剥がれて倒れていたの。
しかも肉が焼かれた色してた。
飴炊きの鴨みたいな皮膚でね。
でもね
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