静寂の裏側の出来事/ホロウ・シカエルボク
出来る限り修正していこうとしていたのだ、恥ずべきことだ、それは生命としての終焉のようなものだ、そう、そんなことは、別にどうだっていいことなのだ、誰かと手を繋いで棺桶に横たわるわけではないのだから?ねえ君、台風が近づいている、と、スマートフォンがやたらに話しかけてくる、いいんだよ、と僕はその度に返事をする、でも、やつはそれを決して聞こうとはしない、でも、とか、だけど、とかいう調子で、ひたすら情報を垂れ流してくる、誰も彼も勘違いしてやがるんだ、情報量が多いことが文明社会の証だって、でもそれは圧倒的に間違っている、電波に乗ってやってくる真実は肉体に刻まれはしない、皆画面をスクロールすることに慣れ過ぎてそ
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