ネジ/草野大悟2
 
したものを飲み込んだりしている君を目の当たりに感じて業火に焼かれることは、ある意味、君を俺のなかへと取り込むために避けては通れない、身もだえするような儀式とでもいうべきものかもしれない。
 それらの出来事は、たかだか千年ほど前に実在している。
 決して、前世とかの話ではないのだ。
 俺は、時空を超えて君を探し、出会い、現世のこの空間でひとつになって存在することができるようになった。
 君は、おずおずと俺に馴染んで、心や内臓や脳みそなどを放出するようになってきている。
 そんな時に、ごたごたとした業火の種をほじくり返して、君の実態を明らかにすることなど、おそろしく無意味なのだ。
 それば
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