詩の日めくり 二〇一六年十一月一日─三十一日/田中宏輔
 
うど、半分くらいのところ、「旧敵との出逢い」という短篇。100歳を越えたおじいさんが主人公のよう。語り手は、その孫という設定。いろんなタイプの作品を書いたひとなのだとは思うし、うまいけど、厭な感じが付きまとう。厭な感じって嫌いじゃないんだけどね。というか、好きかもしれないのだけど。アンナ・カヴァンといい、P・D・ジェイムズといい、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアといい、フラナリー・オコナーといい、厭な感じの作品を書くのは、女性作家が多いような気がする。


二〇一六年十一月八日 「死の鳥」


 ハーラン・エリスンの短篇集『死の鳥』2篇目を読んで、クズだと判断して、本を破って、クズ入
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