詩の日めくり 二〇一六年十一月一日─三十一日/田中宏輔
きょうは恋人とすれ違ってしまった
さて
どっちに取る?
この家の子
そんな言い方しなくてもいいじゃない
頭が痛いよ
ぼくが悪いの?
この家が悪いの?
ぼくの耳に
きみの言葉が咲いた
咲いたけど
咲いたから
散る
散るけど
散ったから
またいつか
違ったきみになって
咲くだろう
もっときれいな
もっとすてきな
きみは
こんな詩を
いや詩じゃないな
いっぱい
むかし書いてたような気がする
きょう
ふと
そんな時期のぼくに
もどったのかな
角の家の犬
後ろ
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