詩の日めくり 二〇一六年十一月一日─三十一日/田中宏輔
 
後ろに自分の家の壁があるときは
とてもうるさく吠えるのに
公園の突き出た棒につながれたら
おとなしい


二〇一六年十一月二十二日 「狂気についての引用メモ」


同じ感情がずっと持続することがないように
自我も同じ状態がずっとつづくわけではない
感情が変化するように自我も変化するのだ
同じことを考えつづけるのは狂気だけだと
ショーペンハウアーだったかキルケゴールだったか
だれかが書いてたような気がする
むかしメモした記憶はあるのだけれど
メモを整理したときにそれを捨てたみたいで
だれだったかしっかりと憶えていない
狂気についての引用メモ
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