詩の日めくり 二〇一六年十一月一日─三十一日/田中宏輔
 
ここからじゃなかったんですよね」
「改札から改札に出られたんですよ」
ううううん。
たしかに頭がぼうっとしてた
ちょっと涙がにじんでしまった
55歳で
こんなんで生きてるって
とても恥ずかしいことやなって思った
でも
帰ってきたら
とてもうれしいメッセージをいただいていて
ぼくみたいな人間でも
見てくださってる方がおられるのだなって知って
また涙がにじんでしまった

洗濯が終わった
これから干して
たまねぎ切って
スライスにして
食べて
血糖値を下げます


二〇一六年十一月二十一日 「角の家の犬」



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