詩の日めくり 二〇一六年十一月一日─三十一日/田中宏輔
人かの近しい友人たちに
電話で教えまくった
「見ないで」
ブリブリッ
二〇一六年十一月十三日 「39歳」
『フラナリー・オコナー全短篇」下巻を読み終わった。上巻も通して全篇、黒人問題が絡んでいた。バラエティーが豊かなのだが、狭いとも思われる、奇妙な感触だ。39歳で亡くなったというのだけれど、若くて死ぬ詩人や作家は、ぼくには卑怯な面があると思われる。才能のある時期に死んだという面でだ。
二〇一六年十一月十四日 「白い紙。」
空っぽな階段を
人の形に似せた
長方形の紙に切り目を入れてつくっただけの
白い紙が
ひとの大きさの半分くらいの
一枚の白い
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