詩の日めくり 二〇一六年十月一日─三十一日/田中宏輔
 
入れ歯」というタイトルだったからだけど、笑いながら読んでいたら、グロテスクな描写に変容していって、なに、この詩? となって、目次を見たら、すべての作品がスラッシュで区切られていて、つながりがあるのかないのか、たぶんないよなというような名詞が接続されていて、「おじさん/入れ歯」のつぎに収録されている20ページからはじまる「カサカサ/プレゼント」という作品の第一行がこんなの。「たとえば僕のおばさんはとても孤独に生きたので何でも喜んだ」ぎょえー、なに、この詩は? ってなって、奥付を見たら、ぼくと齢があまり変わらない方だったので、なぜかしらん、ほっとした。ぱらぱらとめくりながら、詩句に目を走らせると、抒情
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