詩の日めくり 二〇一六年十月一日─三十一日/田中宏輔
抒情的な部分もたくさんあるのだけれど、基本は、狂気のようなものだと感じられた。でも、ご卒業された学校の名前を見て、たぶん、とても見た目、まじめな方なんだろうなあと思って、書くものとのギャップが大きそうに思った。それだけに、怖い。56ページからはじまる「頭巾/虫」の第一行目は、こう。「ひとりで話しているうちに真っ暗になってしまった」 怖いでしょう? 102ページからはじまる「皿/スイッチ」という作品の第一連なんか、こうよ。
あるパーティの日
百人の瞳の大きな人間が選ばれ
皿を配られる
そして鳥にされることになる
怖いもの見たさにページをめくる。24ページからはじまる「水飴
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