深い夜の砂漠/ホロウ・シカエルボク
 
しないのだ、要は、そこに後付けが出来るかどうかという話なのだ、だから、もう理由にはこだわらなかった、わけのわからない場所だろうと、存在の為に行動することは同じなのだ、疲れは感じなかった、見慣れない風景がそうさせるのだろう、自分ではそれほど明確な衝撃を感じてはいないつもりでも、身体のどこかが高揚しているのだ、景色、景色が変わることは大事だ、そうは思わないか?同じ景色は人間を麻痺させる、その麻痺は始末が悪い、相当な毒だが、不思議なほどに疑問を抱かせないのだ、余程巧妙なシステムか、あるいはトラディショナルがあるのだろう、気付くとその場所で人間は人間ではなくなる、もはや洋服屋の中に立っているマネキンと同じ
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