適切な靴を履いて歩いている薄汚い夜の現象/ホロウ・シカエルボク
 
けどさ、そんなものばかり食ってるやつらのほうが多ければ、そいつらが正しいみたいな空気が自然に出来ちまう、群れて騒げば何とかなる、愚者の思想はいつだって同じところに行き着くのさ、それが正しいか間違ってるかなんてことはどうでもいいんだー真夜中の駅に辿り着く、最終便はもう出てしまって、ほとんどの灯りが落ちている、良かった、と俺はひとりごちる、こんな夜にまだ、どこかに行ける便が残っていたとしたら、俺は衝動的に乗り込んでしまっていたかもしれない、そういう感情は説明がつかないものだ、人間はおそらく、自分の本質の為に生まれ、生かされる、選択するかどうかは自由だ、もの凄く分厚い本を見せられて、それを読むかどうか問
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