適切な靴を履いて歩いている薄汚い夜の現象/ホロウ・シカエルボク
落ち着く…生きて、何かを見て、何かを感じて、そこに自分なりの見解というものがあればそれでいい、世間にばら撒かれているものを鵜呑みにするほどに馬鹿には生まれなかった、それだけでも良しとするべきだ、ふと、友達がピアノで弾いてたビリー・ジョエルのナンバーが頭の中で鳴る、あれ、なんて曲だっけな?そんなことを気にしていると信号をひとつ無視した、けたたましいホーンを鳴らしながら悪趣味な装飾を施した軽が背中を通り過ぎる、テールライトをギザギザにして、タイヤを少しハの字にするという美意識、多分一生理解出来ることはないだろう、あれはボンタンと同じ美学だ、下品な魚が好んで食べるおぞましい生きものみたいなものだ…だけど
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