神経組織の夢/ホロウ・シカエルボク
同じ夜が始まってしまうだけだ、そして音楽は途絶えなかった、薄っぺらいハードディスクの中に無数のデータが詰め込まれていた、それはこれからも増え続けるだろう、容量にはまだ充分に余裕があった、その未使用区間を示す表示が意味するところは、もしかしたら眠れない理由と同じものなのかもしれない、類似、比例、様々な感覚が様々な誤差を持つ言葉で語られる、太い木の枝を細いナイフで少しずつ削るように、物言わぬ夜は時を回転させていく、そんなイメージは骸骨を連想させる、削がれて、削がれて、削がれ切ったあとのシルエット、骸骨になっても立ち続けていられるように俺は詩を書いている、虫に食われた跡を掻き毟って出来た瘡蓋を爪の先で剥
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