神経組織の夢/ホロウ・シカエルボク
で剥いだら、驚くほどに赤い血液が静かに頭をもたげた、その血を舐めて、水を飲んだ、血は、身体の中で血に還るだろうか、それとも、まるで関係のない別の何かになってしまうのだろうか、俺はぼんやりと考え込んだ、頭の中を虚無が支配していた、きっと俺はそいつの居場所を作るためだけに脳の中を空っぽにしようとしているんだろう、望もうと望むまいと、すべては更新され続ける、知力、体力、視力、張力、容姿、ひとつとて同じところに留まりはしない、変わり続けようとしているのか、それとも変わらずに居続けようとしているのか、正直なところ俺自身にも分からない、けれど、そんな願望の内訳を知ることが人生の目的ではない、例えば強い波が自分
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