地上の三日月/ホロウ・シカエルボク
 
時点で答えというのはすでにほとんど出ているのだ、だから、俺は特別それを欲しがるような真似はしない、必要なのは追い続けるという意志だけさ、そいつが人にいろいろなものを見せてくれるんだ、表通りに出て、車が途切れるのを待って対岸の歩道へと渡る、ポラロイドカメラに写せるものはあまりない、けれど、そこには手の込んだ真実が隠されている、アナログなものには手間が必要な分だけそういう小癪な要素がある、歩くリズムを少し早くする、アスファルトを積んだダンプがオイル臭い熱気を落としていく、口の中が汚れた気がして側溝に唾を落とす、もちろん、人の流れが途切れた瞬間を見計らってだ、幼いころにもこの通りを歩いた、車や、人の流れ
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