いつだってわずかなものを求めて街を彷徨っている/ホロウ・シカエルボク
 
上げたもんだ、凄いよ―人生ってもっと建設的なものだと思っていたけれど、そんなことを考えているのはごく少数なんだって、俺、なかなか気付けなかったんだ、だって、誰もがそれに頭を悩ませていて当然だって思っていたからさ…まったく、愚かだったね、俺と彼らの間に共通言語なんてないんだ、つい最近になってようやくわかったんだよ、見解なんて感歎に持つもんじゃない、想像を絶するような安易な世界で生きているやつって、びっくりするぐらい、居るんだぜ―勘違いしないで欲しい、俺は自慢をしたいわけじゃない、ただただ、驚愕して、落胆しているんだよ、その数の違いにね…こんな言い方は語弊があるかもしれないが、まるで宗教の様さ、それも
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