料理で俳句?楊梅(ヤマモモ)/SDGs
 
本日のデザート〜楊梅(ヤマモモ)〜


  楊梅やあまりにあしのはやき過去


 いつもの道を歩いていると、足元に楊梅の紅い実が落ちている。歩みを止めて見上げる。街路樹として使われることがあるとは知っていたが、樹形や葉に特徴がないために(あるいは他の樹と似ているために)なかなか楊梅とは気づかない。金木犀なんかもそうで、香りが漂ってきて黄色い花を見るまではその樹が金木犀だったとは気づかない。花や実が樹下に散り、香りも消えると、樹もその名を隠してしまう。季節を知らせる短い手紙のような樹々だ。

 これまでに楊梅の実とは四回出会った。一回目は五歳の頃。徳山の母の実家の近くの八百屋の店先に
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