バッド・インフルエンス/ホロウ・シカエルボク
スタンプが血の色に見える
わたしは電話に指を伸ばして
もう死んでしまった誰かをコールする
繋がれていない、と話す機械に向かって
本当は隣に居るのでしょうと
つまらない冗談を吐いて笑う
痛みは可視化出来ないの
爪を噛みちぎるのは
なにかして紛らわしたいからよ
電灯が点滅してるみたいに思える
わたしの瞬きがぎこちないせいで
どうかチャイコフスキー
人生なんて紙切れだって言って
難しい顔をしながら
譜面の終わりに手を入れながら
どうか
どうか
酷く癇癪を起して
蝸牛を踏み潰したときの音
ずっとつきまとって
こんな日には
とても
フロ
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