バッド・インフルエンス/ホロウ・シカエルボク
 


ひとつひとつの意思が
水滴となって胸の底へと落ち
束の間の王冠を描いて
湖の中で何とも知れぬものへ変わる
彼らの
描く波動
振動
わたしは植物人間のように
寝床で目を見開いて
そのわずかな揺れと、広がりの、中に
わたしの
骨を
収められないかと悩む
短いアルコーブ、飲み干した水が
喉を通過する間だけみたいな
そんな経路を
受け止めて過ごしている
もう何時間も…


電話が
二時間半に一度鳴っていた
午後の早いときあたりまで
水槽は泡を吹き続け
ネオンテトラはなにもかもに
飽きていた、これ以上ないくらい
退屈しきっていた
揺らぐ壁が

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