バッド・インフルエンス/ホロウ・シカエルボク
短い眠りの中の夢なのか
それとも
現実に見たことだったのか
わたしには
断言出来ない
きっと
一生
剃刀がどういうわけか
刃を剥き出しにしたままフロアーに転がっているので
わたしは
悪いことを考えてしまう
だけど
いけないことだけど
血を流すと
その分だけ
なにかが報われるような
そんな気がする時がある
わたしを許してはいけない
怠惰な午後の中で死んでいったものたち
網戸の羽虫の死体
先週の酷い雨が
天井に残した染み
はっきりしない気温
雨の予報
確実な過去と
予想された未来の中で
ただ維持されるだけという活動
かみさま
わ
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