詩の日めくり 二〇一五年四月一日─三十一日/田中宏輔
 
ンションで、自分の勃起したちんぽこいじりながら、にこにこしながら、ぼくと音楽の話をしてた。「おれ、ハーモニカの音が好きなんですよ。」そか。なんか、頭の先、しびれるよな。酒、飲んでたらな。いまなら、わかるさ。わかるよ。そのあとの展開は、臆病なぼくらしい展開で、ぼくの究極のテーマだと思う。臆病なぼくは手を出すこともできなくて、その子がわざともみしだいておっ立てたチンポコの形を、彼のズボンの上から眺めることしかできなくって、そうだ。そのあとのことを、『ゲイ・ポエムズ』の『陽の埋葬』の一つに書いたのだった。彼はわざと勃起したチンポコのふくらみを見せつけたのだった。

二〇一五年四月二日 「言葉」

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