詩の日めくり 二〇一四年十三月一日─三十一日/田中宏輔
葉を引き剥がそう
詩人に要請されることは、ほかには何もない
皮膚にまといついた言葉を引き剥がすこと以外に
こころみに、ぼくの皮膚についた言葉を引き剥がそう
10歳のときの記憶の1つが、雲を映す影となって地面を這っている
こころもち、雨が降った日の水溜りに似ていないとも言えない
風景は成熟することを拒否する
詩人は自分をその場所に置いて
自分自身を眺めた
まるで物でも眺めるように
二〇一四年十三月五日 「時間と空間」
ぼくたちが時間や空間を所有しているのではなく
時間や空間がぼくたちを所有しているのである
ぼくたちが出来事を所有しているのではなく
出来
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