詩の日めくり 二〇一四年十三月一日─三十一日/田中宏輔
出来事がぼくたちを所有しているように。
ぼくたちが過去を思い出すとき
ぼくたちが過去を引き寄せるのではない。
過去がぼくたちを引き寄せるのである。
過去がぼくたちを思い出すために。
二〇一四年十三月六日 「偉大さと、卑小さ」
詩人がなぜ過去の偉大な詩人や作家に
詩人にとって偉大であると思われる詩人や作家に云々しているのか
いぶかしむ人がいるが
そんなことは当たり前で
卑小な人間の魂に学べることは、卑小な人間について学べることだけだからである
偉大な人間の魂の中には、卑小な人間の魂も存在しているのである
詩人は学び尽くさなければならないのだ
生きてい
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